• 2024-09-24
柔軟な住まい方を目指して「フレキシブルリビング」を提供するHmlet Japan株式会社。同社は、従来の不動産業界の常識にとらわれない革新的なビジネスモデルの実現により、新たなライフスタイルを提案しています。
写真左:Hmlet Japan株式会社 DX&Marketing Principal Expert 松山 一則 様 写真右:Hmlet Japan株式会社 代表取締役社長 佐々木 謙一 様
平均入居期間が約6ヶ月であるビジネスの特性上、高頻度の契約業務と複雑な物件管理が避けられなかったという同社は、2021年から『diver』の利用を開始。独自のビジネスに最適化された営業プロセスの構築に成功しました。
今回は、同社がdiverを利用するに至った背景や実装の流れ、SalesOpsの実現後に生まれた成果について、同社代表の佐々木様、DX&Marketing Principal Expertの松山様に伺いました。
Hmlet Japan株式会社 公式サイト
松山様:
「フレキシブルリビング」は、海外大都市圏の高額な家賃事情や、グローバルに働く人々の増加を背景に生まれたライフスタイルです。ただ、国内では一般的な認知度は高くなく、弊社が新たな市場を開拓している状況です。
従来の賃貸住宅と大きく異なるのは、滞在期間の短さです。一般的な賃貸住宅では2年契約が主流ですが、当社の場合、新規入居者の平均滞在期間がわずか4ヶ月です。また、契約形態が定期借家契約のみに限られているのも弊社のビジネスの特徴です。そのため、基本的に入居者の方は契約期間の終了後に退去することが前提となります。ただし、契約期間満了後、再契約というかたちで同じ部屋に住み続けたり、同じ棟内の別の部屋に移ったりすることもできます。この柔軟性が、私たちの事業の特徴といえます。
松山様:
高頻度で発生する契約業務と複雑な物件管理の工数削減が課題となっていました。
通常の賃貸住宅と比べて滞在期間が短い分、契約や退去の頻度は高くなります。たとえば、1,000戸の物件を運営したとすると、発生する契約の数は年間で3000件程度にも及びます。
短期間の契約であっても、契約書の作成や、家賃の未払いリスクを抑えるための入居審査は必要です。さらに、なるべく空室期間を短くするためには、退去後の原状回復から次の入居者の受け入れまでのオペレーションを迅速におこなうことも求められます。
そんななか、以前の弊社では新規の問い合わせ対応、契約状況の管理、支払い状況の確認など、CRMで一元管理できるはずの業務をスプレッドシート上で管理しながら、8名ほどのマンパワーで回していました。業務効率化と社員の負荷軽減のためには、こうした複雑かつ膨大な量の契約・管理業務をデジタル化することが必要不可欠だったのです。
diverのご利用開始以前は、社内のメンバーで業務のデジタル化を進めていらっしゃったそうですね。
松山様:
はい、新たな業務フローを構築するべく、Merさんのご支援のもと、CRMツールのPipedriveを導入しました。しかし、当初は機能に関する知識が担当者の間できちんと定着していなかったんです。そのため、Pipedrive上に必要なデータが存在するにもかかわらず、スプレッドシートに一度そのデータを出力してから情報を確認するといった使い方が常態化し、かえって業務が複雑化していました。
一連の業務フローをシンプルにするためには、ツールの活用方法の周知のほか、よりスムーズに業務を遂行するためのデータ・ツール同士の連携が必要な状況でした。
松山様:
Pipedriveの導入後、Merさんにご支援いただいて、改善された新たなCRMシステムを構築いただきました。
現在は、Pipedriveに加えてGoogle スプレッドシートやAirtableなども併用し、それぞれのツールの特性に応じた使い分けをしています。
契約に至るまでの営業プロセスの管理をはじめ、問い合わせ数、契約率の推移、営業担当者のパフォーマンスの確認など、CRMの中で完結できる業務は、できるだけPipedrive上で実行するようにしています。一方、リレーショナルデータの管理が必要な場合はAirtableを、単純な集計作業や簡易的なデータ管理にはスプレッドシートを使用し、ツール間のデータ連携もおこなっています。これにより、Pipedriveに蓄積したデータをスプレッドシートに出力したり、逆にスプレッドシートで管理している物件情報をPipedriveに一括インポートしたりするなど、営業担当者が使いやすい形でデータを扱えるようになりました。
ツール同士を連携させた新たなシステムの構築、APIを使ったデータの連携やインテグレーションは、Merさんのサポートによって実現したものです。また、Slackを中心とした情報伝達システムも構築いただきました。これにより、問い合わせの通知、タスクのアサイン、契約締結の報告など、ほとんどの業務コミュニケーションがSlack上で完結するようになりました。
松山様:
弊社では、入居者の入れ替わりに迅速に対応するため、現入居者の退去日が決まった段階ですぐに次の入居者の募集を開始します。この時、すべての営業担当者が常に最新の部屋の状況を把握していなければ、同時に2名の担当者がそれぞれ別々の顧客に部屋の提案を進めてしまうリスクが高まります。このダブルブッキングを防ぐためには、複雑な管理業務が必要なんです。
こうした課題に対して、Merさんは部屋の販売状況や予約状況をリアルタイムで管理し、自動でステータスを管理できるシステム構築のサポートをしてくださいました。これにより、すべての担当者が常に最新の情報を共有し、ダブルブッキングを防止できるようになりました。
佐々木様:
ビジネスモデルの変更に柔軟に対応できるようなシステム設計にしているのもポイントの一つといえます。
たとえば、契約満了後に入居者が「必ず退去する」という前提から「継続入居を推奨する」方針に転換する際にも、迅速に新たな方針にシステムを適応させることができます。
顧客ニーズやマーケット状況は常に変化するものです。あらゆる変化に対して柔軟に対応できる環境が整っているからこそ、ビジネス戦略を見直すことへのハードルも下がっていると感じます。
佐々木様:
SalesOpsの改善により、営業生産性が大幅に向上しました。3年前は営業担当者1人当たり月間50件程度のリードしか対応できませんでしたが、現在は120件ほど対応できるようになりました。単純計算で対応できるリード数が約2.4倍にまで増加したことになります。
また、リードの母数が増えたことで、受注数も増加しています。以前は成績の良い営業マンでも月に15件程度、平均すると1人あたり月10件ほどの成約数でした。しかし、リードの母数が増えた現在は、1人あたり月間平均20件ほどのペースで受注に成功しています。
以前はリソースが限られていたため、確度が高いリードに絞り込んだアプローチをおこなっていましたが、業務の自動化が進んだ結果、現在はより幅広いリードに対応できるようになりました。確度が異なるリードまで含めて対応しても同等の成約率を維持できているので、実質的には受注率が向上していると考えることもできますね。
松山様:
従来のやり方を継続するとすれば、8名いる営業メンバーを20名まで増やさなければ達成できないような成果です。しかし、人数でカバーしようとすると採算が合わなくなり、そもそもビジネスとして成り立ちません。テクノロジーを活用したからこそ、少ない人数で効率的に業務を回し、成果を上げられているのだと感じています。
松山様:
Pipedrive上で、直近のWebサイトへの訪問者数、問い合わせ数、リード数、最終的な入居者数といったデータをリアルタイムで確認できるようになりました。これらのデータを分析することで、より正確な受注予測を立て、データに基づいた意思決定ができるようになったのも大きな成果だと思います。
佐々木様:
見込み顧客や入居者のデータに加え、退去予定者数も把握できるため、新規物件の追加タイミングも精密に計算できるようになりました。常に需要と供給のバランスを見られるようになったことで、赤字リスクを回避しながら、適切な規模拡大と効率的な事業運営を実現できています。
松山様:
Merさんの最大の強みは、単なる技術サポートにとどまらない、ビジネスプロセス全体を見据えたアプローチだと考えています。担当の白井さんは、弊社の業務プロセスを深く理解した上で、最適なソリューションを提案してくださいます。
たとえば、システム連携の方法をご提案いただくだけでなく「そもそも、本当に現状のやり方に合わせてシステムを構築していいのか?」という視点から、業務プロセスそのものを見直し、時には代替案を提示してくださるので、とても助かっています。結果として、私たちが当初想定していた以上に効率的な解決策を見出すことができました。
松山様:
今後も、さらなる業務の効率化と自動化に向けて何ができるのかを探求し続けると同時に、不要な業務プロセスを特定して削除、簡素化することにも取り組んでいきたいです。最終的には、私たちのビジネスモデルに完全に最適化された、効率的で柔軟性の高いシステムを作り上げたいです。この取り組みを成功させるには、Merさんの継続的なサポートが不可欠だと考えています。
松山様:
常に変化する業務への柔軟な対応が求められるスタートアップ企業や、新規事業を展開している企業に特におすすめです。また、業務改革の必要性を感じていながらも、具体的な方法がわからずに踏みとどまっている企業にも最適なサービスなのではないでしょうか。
Merさんは、単に「このパッケージを導入すれば業務が回ります」といった提案ではなく、私たちと同じ目線で最適な解決策を見つけるようなアプローチを取ってくださいます。そのため、現状に満足せず、常に改善を求め、プロセスを変革していこうという意欲のある企業にとって、diverは非常に価値のあるサービスだと感じます。
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